水道橋のオフィスビル
日本空間デザイン賞2023金賞

所  在  地:東京都千代田区
竣  工 :2022年11月
敷地面積:198.6㎡
建築面積:153.98㎡
延床面積:659.65㎡
構  造:RC造
構造設計:井上健一構造設計事務所
設備設計:武井設備研究所
施  工:大洋建設株式会社(本体工事)/ 株式会社グッドライフ(2,6階内装)
撮  影:エスエス

スタートアップ企業などをテナントとして想定した水道橋駅前のオフィスビルの計画。敷地は台形をしており、使い勝手や借りやすさを重視した矩形の執務空間の前面に三角形のテラス(ワークテラス)が取り付く計画とした。コロナ禍を経て、テレワークが普及し、ワーケーションやサテライトオフィスなど、換気や環境の良い場所で働く価値が高まる一方で、リモートの弊害として雑談や気軽な相談ができなかったり、画面越しでしか人と接することがない孤独感など、集まって働く価値も再認識され始めている。ワークテラスはノートパソコン等を持ち出して執務室として使用したり、打合せやリフレッシュの場として使用するなど、画一的なオフィス空間に多様な機能を付加・拡張する場となっている。テナントオフィスビルに求められる効率性と、開放的で気持ち良い働く場を両立させる、これからのオフィスの1つとなることを目指して設計した。

An office building project in the heart of Tokyo that started during the Covid-19 pandemic. Due to the trapezoidal site, triangular “work-terraces” are formed to attach to the rectangular volume of the office. The Covid-19 has led to the telework, and the value of working in the office has also begun to be reevaluated, with the downside of telework being the inability to casually consult, and feeling isolation with people only through a screen. This office building was designed to be one of the solutions for the new coming era, combining the efficiency required of a tenant office building with pleasant working environment.

 

階毎に異なるワークテラス

ワークテラスは300mm角のRCの細い骨格で構成している。テラスをところどころ吹抜状にすることで、開放性を確保し、容積に算入されないようにすると共に、上下階で緩やかに繋がりが生まれる計画とした。室内面積で容積率を最大限利用し、ワークテラスによって容積以上の面積確保を可能としている。フレームを頼りに、階段、家具、植栽などを挿入することで、階毎に異なる働き方・集まり方を提案している。

 

働く姿が作る風景

中央・総武線が毎日数十万人の乗客を乗せて敷地の目の前を通過する。車窓から見える流れるような都市の風景の中に、人々の活動そのものが外観となる建物が映り込む。そこには、楽しく働く人々や談笑する人々の姿が現れ、都市の中のオフィスビルとして新しい風景が生まれることを期待している。

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Site: Tokyo
Use: Office + Restaurant
Year:2022
Site Area: 198.6㎡
Building Area: 153.98㎡
Floor Area: 659.65㎡
Structure Type: Reinforced Concrete
Structural Consultant: Kenichi Inoue Structure Engineer Office
MEP Consultant: Takei MEP Institution
Construction Contractor: Taiyo
Photo: SS