Guangzhou, China — 2017

紫泥堂ファームレストラン

Zinitang Farm Restaurant

中国広州、旧製糖工場の一角に打ち捨てられていた組積造の建物を、農園と一体のレストランへと転用する計画。かつてロシア資本によって建てられたこの建物は、黄色い煉瓦の外壁が特徴的で、沖縄にほど近い温暖な気候の中、南洋植物の緑と強い日差しに映えて佇んでいた。町を歩けば、人々が木陰に心地よい居場所を見つけて過ごす光景に出会う。施主は敷地近くで有機栽培の農園を営み、自ら育てた野菜を使った日本料理をここで振る舞う。

町を歩けば、人々は木陰に心地よい居場所を見つけて過ごす。

その心地よさを、建物の前にもう一つつくれないかと考えた。

葡萄のつるが柱を伝い、パーゴラへと絡んでいく。

木と編まれた竹の間を、木漏れ日とそよ風が通り抜ける。

私たちは、建物前に既にある2本の木がつくる木陰を、まるで森の木陰のように増幅できないかと考えた。竹を曲げて編み込んだパーゴラは、自然光や風、植物、人、家具、照明といった様々なものを緩やかに掛け渡す手がかりとして設計している。編み込みの技術には、現地の椅子職人が培ってきた手仕事を応用した。

テラスには施主自らが選んだ葡萄などのつる植物を植え、柱を伝ってパーゴラへと絡ませる予定だ。やがて建物前の木と編まれた竹の間を、木漏れ日とそよ風が通り抜けていく。黄色い煉瓦と竹という異なる素材の出会いは、この土地とやってくる人々を、静かにつないでいく。

Project Information

所在地中国・広州
竣  工2017年3月
用  途レストラン
建築面積168.63㎡
延床面積240.84㎡(テラス含む)
構  造煉瓦造 + 鉄骨補強