Tokyo, Japan — 2022

水道橋のオフィスビル

Suidobashi Office Building

JR水道橋駅前、中央・総武線が一日に数十万人を運ぶ線路際の、台形をした敷地にこのテナントオフィスビルは建つ。計画が動き出したのはコロナ禍のさなかだった。テレワークが急速に普及し、換気や環境の良い場所で働く価値が見直される一方で、

雑談や気軽な相談ができない孤独感など、

人が集まって働くことの意味もまた、静かに再認識され始めていた。

車窓から見えるのは、働く風景そのもの。

人々の営みが、そのまま都市に開かれた外観となる。

矩形の執務空間を敷地いっぱいに確保しながら、その前面に三角形のテラス「ワークテラス」を各階に取りつけた。300mm角という細いRCの骨格でテラスを構成し、ところどころを吹き抜けとすることで容積に算入されない開放性を確保しつつ、上下階を緩やかにつなぐ。フレームを頼りに階段や家具、植栽を挿入することで、階ごとに異なる表情のワークテラスが生まれた。ノートパソコンを片手に外気に触れながら働いたり、打ち合わせや息抜きの場になったりと、画一的な執務空間に多様なふるまいを呼び込む装置となっている。

外壁は型枠のパターンを活かした打ち放しコンクリートとし、時間とともに光と影の表情を変える。低層階のレストランが街の賑わいと接続する。テナントオフィスに求められる効率性と、開放的で気持ちよく働ける場を両立させる、これからのオフィスの一つのモデルを目指した。

Project Information

受  賞 日本空間デザイン賞 金賞 2023
所在地東京都千代田区
竣  工2022年11月
用  途オフィス + レストラン
敷地面積198.6㎡
建築面積153.98㎡
延床面積659.65㎡
構  造RC造
構造設計井上健一構造設計事務所
設備設計武井設備研究所
施  工大洋建設
撮  影エスエス 海谷征生