Shimane, Japan — 2022

美郷町サテライトオフィス 第二期

Misato Satellite Office, Phase 2

島根の中山間地域、人口4000人の小さな町。深緑の江の川が流れ、四季の山々に抱かれたこの地で、古い建物が連なる通りの一角に、平安時代から続く寺と隣り合って昭和3年築の旧役場が建つ。縫製工場への転用を経て数十年放置されたこの建物を、I・Uターン者を呼び込むサテライトオフィスへと改修する地方創生プロジェクトの第二期として、未活用だった2階のオフィス機能を拡張・拡充した。

小さな町に、外から大勢の人がやってくる。

その不安を、「つなぐ」という力で新たな活力に変えていく。

打合せ室にも、町民の託児スペースにもなるアルコーブ。

1階の縁側と同じ、人と人をつなぐ装置である。

サテライトオフィスという性格上、小さな町には外から大勢の人がやってくる。その不安を払拭し、町内外の人々が溶け合う新たな活力の場となるよう、私たちは「つなぐ」ことを設計の軸に据えた。1階では交流サロンが町民と利用者をつなぎ、室内の縁側が利用者同士をつなぐ。2階も同じ思想を継承し、北側の既存柱や壁を活かして耐震要素を加えながらオフィス諸室を並べ、南側には誰もが自由に使える多目的室を設け、その間に4つのアルコーブを挟んだ。

アルコーブは打合せ室にも、多目的室で過ごす町民の託児スペースにもなる、1階の縁側と同じくつなぐ装置である。既存のアーチ窓をレイヤー状に連ね、どこにいても多目的室の気配が感じられるようにした。外壁は町のシンボルカラーでもある江の川の深緑、内側は美郷の美しい四季を映す淡い色とし、ここにしかない空間を浮かび上がらせている。サテライトオフィスを起点に、町には新しい店も生まれ始め、この場所が持続可能な地域づくりの一助を担ってくれることを願っている。

Project Information

受  賞 ウッドデザイン賞2022
日本空間デザイン賞2022 サステナブル空間賞
所在地島根県美郷町
竣  工2022年3月
用  途事務所 + 集会所
敷地面積911.4㎡
改修範囲269㎡
構  造木造(既存改修)
構造設計井上健一構造設計事務所
設備設計武井設備研究所
施  工彦田工務店
撮  影野津研一