Chiba, Japan — 2020

丘の幼稚園

Kindergarten on the Hill

何棟もの住宅団地に囲まれた、築50年の幼稚園の建替計画。バス通園によって地域から切り離されていた旧園舎に代え、団地の中央に続く緑地を望む「丘」として園舎を設計し直した。丘の斜面に遊び場を散りばめ、団地の住人からも見守られる、地域に開かれた幼稚園をつくった。

ネットの丘、芝の滑り台、丘のテラス。

遊びの中で、子どもたちの社会性が育っていく。

森のホールが、団地と幼稚園を地続きにする。

地域全体で見守る、子どもたちの風景。

何棟もの住宅団地に囲まれたこの敷地で、西側だけに緑地が続いている。団地ができた50年前と異なり、子どもたちの多くは団地の外からバス通園しており、幼稚園だけが地域からぽっかり切り離された存在に見えていた。動線は使い勝手が悪く、保育室は団地の影になって薄暗い——増築を重ねた旧園舎は、そんな課題を抱えていた。

そこで、団地の中央を抜ける緑地を望む「丘」を作るように、園舎そのものを設計し直すことにした。走り回り、駆け上がるのが大好きな子どもたちのために、緑地へ向けて片流れに持ち上がる屋根をかけ、その斜面にネットの丘、芝の滑り台、丘のテラス、壁の洞窟や登れる柱を散りばめる。教えずとも滑り台には順番ができ、テラスでは年上の子が年下の子の手を引く——遊びを通じて社会性が育っていく光景がそこにはある。

丘を掘り込むように内外をつなぐ「森のホール」を園舎の中心に据え、保育室とともに緑地へ向けて並べることで、団地の中にありながら森の中に建っているかのような環境をつくった。ホールはエントランス外の道路からも見通せるよう配置し、団地の住人やベランダからも丘で遊ぶ子どもたちの姿が見える。コロナ禍での開園となったが、外でのびのび遊ぶ子どもたちの姿は、地域全体で見守られる幼稚園の新しい風景となった。

Project Information

受  賞 令和2年千葉県建築文化賞優秀賞
キッズデザインアワード2020
ウッドデザインアワード2020
所在地千葉県千葉市
竣  工2020年2月
用  途認定こども園
敷地面積2,820.72㎡
建築面積1,019.63㎡
延床面積848.02㎡
構  造木造平屋
構造設計井上健一構造設計事務所
設備設計武井設備研究所
施  工木村建設
撮  影Graphy, Inc.