一之江のEmpress

所 在 地:東京都
用  途:住宅+共同住宅
建築面積:142.52㎡
延床面積:434.54㎡
構  造:鉄筋コンクリート造
構造設計:井上健一構造設計事務所
設備設計:ZO設計室
施  工:株式会社トヨダ
撮  影:エスエス 海谷征生

Site: Tokyo
Use: Private residence + apartment
Year:2024
Site Area: 190.47㎡
Building Area: 142.52㎡
Floor Area: 434.54㎡
Structure Type: Reinforced concrete
Structural Consultant: Kenichi Inoue Structural Engineers
MEP Consultant: Zo Consulting Engineers
Construction Contractor: Toyoda
Photo: SS Masao Kaiya

敷地は都内の住宅街で、南、東、北側に接道し、3方向からの斜線制限がかかる土地となっている。元々同じ土地に暮らしていた子育てを終えた夫婦の住居の建て替え計画である。1階と2階はそれぞれに平面の異なる賃貸住宅を6戸設け、3、4階をクライアントの住居とした。3方向からの複雑な斜線制限を交わしつつ最大容積を確保するため、建物を3つのボリュームに分割し、階ごとにセットバックさせ、天空率検討を行うことで、周囲が2~3階建ての中、4階建てを実現している。周囲より高さがありつつも、3つのボリュームに分割していることで、住宅地の街並みのスケールに調和する立ち姿となった。かつ、少しずつずらしたボリュームにより、全ての部屋が角部屋となり、光と風、そして視線が抜ける快適な空間とした。賃貸部分は角部屋住戸とすることで、周辺同規模の賃貸との差別化を図り、クライアントの住居は照明なしでもどこにいても明るい空間となった。3階はボリュームのつなぎ目に設置した建具を開け放すと、和室、LDK、寝室がそれぞれ分節しながらも一体的につながる開放的な空間とした。4階には、見晴らしの良いルーフテラスと、左官で仕上げた浴室、ゲストルーム、サンルームを設置している。外壁は、OSB型枠による打ち放しコンクリートとし、日の当たり方と共に変化する印影のある豊かな表情を見せている。