H-A駅前商業ビル コンペティション
次点

用 途 :商業
敷 地 :東京都
構 造 :S造
延床面積 :4,300㎡
敷地面積 :650㎡
コンペ :2021年
構 造 :構造計画研究所
設 備 :ZO設計室

賑わいの立体路

本件は、東京近郊の1日の乗降者数が10万人近い駅に隣接した建物の建替えにともなう商業ビルの指名コンペ案である。この地域ならではの自然を身近に感じる環境、都心へのアクセスの良さから、住みたい町ランキング一位にも選ばれる街とあり、駅前広場は多くの人が行き交い、活気を感じる場所である。しかし、バブル期に建てられた周辺の商業ビルは、使い勝手の悪さからか、空室が目立っており、街への賑わいの創出という点では貢献できていない状況となっていた。そこで、我々が提案した案では、時代や社会の変化に対応しながら建物も変化し、街へ賑わいが還元できる施設とすることとした。

各階を路地やテラスなどの外部空間で繋ぎ、駅前広場や商店街の人通りを上階にまで引き込むことで、ショッピングを楽しみながら外の景色が見え、テラスでの飲食や散策ができたり、外部へ活動や賑わいが見えるようにした。屋外共用部となる路地やテラスは、テナントとも連動する空間とすることで、単なる移動空間ではなく体験の場へと変わり、施設全体の付加価値を高 めることにもなる。一般的な商業ビルでは閉鎖的になりがちだが、各階が外部空間に面していることで、換気のしやすい 環境にもなり、コロナ禍における感染症対策にも対応した計画となっている。屋外共用部に面した各階のファサードは テナントがコントロールできるようにすることで、テナントが更新されるたびにファサードが変化する施設となっている。完成時が施設のピークになるのではなく、時間の経過とともに変化し、街と一緒に育って行く、今までの価値観とは一線を画する商業施設の提案とした。