真庭市そばの館プロポーザル
最優秀

敷地面積 :2,027㎡
建築面積 :285㎡
延床面積 :271㎡
構  造 :S+木造
構造設計 :山田憲明構造設計事務所
設備設計 :ZO設計室
竣工予定 :2022年5月

岡山県真庭市の火事で焼失したそばの館を再建する計画のプロポーザルを経て設計者として選定された。敷地は美しい蕎麦畑の風景が広がる蒜山高原の入口に位置している。地域の特産の蕎麦を単に食べるだけでなく、地域の伝統や蕎麦文化に触れられる場としたいと考え、以下の3点を重視して設計を行った。

① 伝統や記憶をつなぐ屋根と縁側 周辺の伝統住居や社寺に見られる入母屋作りと低く抑えた屋根が作る構成を採用した。雪や風を防ぐ、蒜山地域ならではの屋根形式で、低い屋根の下には内外に渡る縁側空間を設け、蒜山ならではの夏の心地良い気候や冬の白銀の風景を楽しめる場とした。

② 風景と建築をつなぐ 入母屋の屋根面にCLTを採用し、CLTパネルが互いにもたれかかるだけで成立する柱のない大きな客席空間を実現した。その周りに低い屋根が緩やかに高さを変えながらとりつき、皆が集まれる大きな屋根と、水平に風景を切り取る低い屋根の2種の屋根が、人と風景をつなぐ場を作っている。真庭市の有する多くのCLT建築群の1つとなり、CLT建築をめぐるツアーなど、真庭市の観光をつなぐ建物にもなることも提案している。

③ 蕎麦文化や地域文化をつなぐ仕掛け。 市が整備する蕎麦店として、単に蕎麦を食べられるだけでなく、蕎麦が作られる工程や蒜山の文化に触れることができる場とするため、蕎麦打ちの様子が見えたり、のれんや竹細工、和紙など、地場の多様な工芸を仕上げや家具、建具に採用している。来るたびに蒜山の文化や歴史を発見できる場となっている。